MR不要論に足りていない視点とは?

MRの仕事

MR(医薬情報担当者)からマーケティング職にキャリアチェンジしたサラリーマンの

コータローです。

10年以上語られ続けているMR不要論

今回の新型コロナによってさらに噴出している話題でありますが、イマイチ腑に落ちないと思うことはありませんか?

確かにMRの人数は2013年過去最高の6万5752人から2018年に5万9900人(2019年版MR白書より)と減少してきています。

接待禁止はもちろん、病院の訪問規制は年々厳しくなり、販売情報ガイドラインが制定されて活動の自由度も下がる一方。

また最近ではMRが病院訪問自粛しても医療従事者は全く困っていないという話も聞こえてきます。

しかし、この議論はそもそもずれています

それは製薬メーカー側の視点が抜け落ちているからです。

今回はこのMR不要論をできる限り冷静に客観的に読み解いていきたいと思いますので、お付き合いのほど、よろしくお願いします。

<こんな人に見てもらいたい>

  • MR不要論ばかり聞いてうんざりしている人

それではその「製薬メーカー側の視点」についてご紹介していきます。

MRは製薬メーカーの営業担当

まずここからです。

「MR(Medical Representatives)とは製薬企業の営業部門に所属しています」(MR認定センターHPより抜粋)。

その上で、期待されている役割として「MRの使命は、医薬品の適正使用のための情報の提供・収集・伝達を通して、自社医薬品を普及させることです。」と続きます。

このようにMRが営業担当であることはMR認定センターも公に認めています。

よって、製薬メーカーとしては自社医薬品の売上を最大化するための人員として、MRを配置しているわけです。

ですので、あくまでMRがいるか、いらないかを決めるのは製薬メーカー側ということです。

この前提があるにも関わらず、医療従事者側の視点でのみ語られてしまうことが多いため、腑に落ちなかったわけです。

製薬メーカーはなぜMRを配置するか

それではなぜそもそもMR(営業担当)が必要なのかを考えていきます。

医師が処方する薬は一般消費者に直接広告をしてはいけない決まりになっています。

これは一般の人が広告により間違った認識を持ってしまい、薬の適正使用を妨げてしまう恐れがあるからです。

ですので、十分な知識を持っている医師を中心とした医療従事者にのみ広告宣伝活動ができるという特殊性があります。

この特殊性により、マーケティング、営業に関しても業界独自のシステムが確立されました。

画期的な新薬が発売されたとしても大々的にテレビやネット広告を打って一気に広めることはできません。

また、どれだけ優れた薬にも副作用などのリスクが存在しますので、リスクも含めて医師に直接情報提供することが求められるわけです。

その際にMRが必要になります。

病院は全国どこにでもありますので、それぞれの地域でMRが配置されます。

製薬メーカー側から見たMR不要論とは

それではなぜ実際にMRは減少を続けているのか、これは製薬メーカー側からの視点でMRを減らす理由が出てきたからです。

私が考える理由は3つです。

  1. MRの費用対効果低下
  2. 医師プラットフォームの台頭
  3. 研究開発費の高騰

① MRの費用対効果低下

こちらはMRをしている方なら肌感覚としてあるのではないでしょうか。

年々厳しくなる訪問規制により、施設1軒あたりの訪問時間は減ってきています。

製薬メーカーの多くは現在でも訪問数(コール数)を元にMRの費用対効果を設定していますので、それが下がるとなると生産性向上の施策を打つことになります。

具体的にはMR1人当たりのエリア・担当医師を増やすことになりますが、これイコールMR減少と言えるでしょう。

② 医師プラットフォーム台頭

こちらは言わずもがなエムスリー社ですね。

現在医師の90%をカバーするまでに至ったこのプラットフォームは業界を牛耳るといっても大げさではないでしょう。

MRの活動が制限されていく中でネットを介した情報提供はどのメーカーからも魅力的に映ります。

最近は商品も多様化しているようで益々製薬メーカーからの投資額が増えていくこと間違いないです。

エムスリー社の決算発表を見ても、恐ろしいまでにMR人件費をターゲットにしていることが窺えます。

③ 研究開発費の高騰

こちらは製薬メーカーの利益構造変化につながります。

と言いますのも、業界全体として研究開発費を増やしていながら、新薬創出は難しくなってきているからです。

そうなると売上の中で研究開発費に占める割合がどんどん増えていくことになりますので、これまで通り利益を確保しようとするとどこかにテコ入れをする必要が出てきます。

その対象が販売管理費(MRの人件費)というわけです。

実際、既にそのようにシフトが進んでいる外資系企業と比べて内資系企業の販売管理費率が高いことは問題視されてきておりますので、そのバランスの悪さを是正するためにもMRを減らすことが筆頭の手段と言えます。

まとめ

このように現在MRの減少が進んでいるのは医療従事者側の意見を反映させているわけではなく、あくまで製薬メーカー側の視点で進められています。

このように見ていくと冷静に客観的に状況が見つめられるのではないでしょうか。

ということで、今回は「MR不要論に足りていない視点とは」についてご紹介してきました。

不要論というとMR以外にも商社不要論が有名ですよね。

総合商社といえばエリートサラリーマンの代表格ですが、ずっと言われ続けています。

しかし、そんな中でも変化して機能を増やして意義のある存在として依然そびえ立っています。

どの業界でも従来通りの仕事を続けている人に価値は生まれないということでしょう。

これからの時代を生き抜くためにも不要論に惑わされず進んでいきたいですね。

それでは最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

引き続きよろしくお願いします。

コータロー

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