協和キリンの2020年度第2四半期決算を見て考えたこと

企業分析

MR(医薬情報担当者)からマーケティング職にキャリアチェンジしたサラリーマンの

コータローです。

今回は昨年ネスプが特許切れを迎えるにあたってMRの早期退職を行い、約300名のスリム化を果たした協和キリンについて見ていきたいと思います。

ネスプは特許切れと同時に国内初のバイオシミラーならぬバイオセイムを発売したことでも話題になりましたね。

また、協和キリンといえば、ネスプもそうですが、グランやジーラスタなどG-CSF製剤もあり、バイオ医薬品に強みがあります。

元々、キリンビールと協和発酵が統合した会社でありますので、バイオ医薬品に強みがあるのは理解しやすいですね。

さらに最近では希少血液がんに使われるポテリジオを創薬したように抗体薬にも自信を持っており、昨年末に発売したブロックバスター候補のクリースビータも抗体薬です。

領域としては腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経に重点を置いているようですが、MR目線で印象に残っているのはやはり腎領域ですね。

そんな腎領域には注目の新薬ダーブロック(ダプロデュスタット)がようやく出てきますので、その辺りも含めて決算資料を元に見ていきたいと思います。

それではよろしくお願いします。

くわしくご覧になりたい方はこちらhttps://ir.kyowakirin.com/ja/library/earnings/earnings0/main/05/teaserItems1/00/linkList/01/link/presentation_2020_q2_ja2.pdf

2020年度第2四半期決算サマリー

2020年度第2四半期決算説明会資料より

まず2Qのサマリがこちらですが、継続事業に絞ればコロナ禍においても前年比で増収増益を果たしています。

ただ、少し注目して頂きたいのは売上収益の海外比率です。

数字全体は変わらないにも関わらず、海外売上比率は37%から46%と大幅に増加しています。

もちろん海外での売上が伸びることは好ましいわけですが、日本市場も重要な市場に違いありませんので、この辺りをもう少し詳しくみていきましょう。

日本市場は?

2020年度第2四半期決算説明会資料より
2020年度第2四半期決算説明会資料より

こちらをご覧頂くと最大のマイナス要因が日本市場であることがわかります。

一方で米国を中心にグローバルは大きく伸長していますので、海外比率が上がるのも頷けますね。

腎領域

製品別に見ていくと、やはりネスプの影響は大きいですね。

500億円以上を売り上げていた看板製品でしたので、バイオセイムを出したとはいえ、上期で100億円以上のマイナスとなっています。

ただ、ネスプに関してはバイオセイムが入ってしまえば、それ以上の落ち込みは防げる可能性が高いですので、来年以降も年間200億円を超える売上はキープできる可能性が高いでしょう。

もう一つ腎領域で注力しているオルケディアはレグパラからの切替を促していますが、競合もいることからレグパラ減少分を補うほどの売上には至りませんでした。

がん領域

がん領域に関してはジーラスタやリツキシマブBSが好調です。

ジーラスタはG-CSF製剤なので、がんの治療薬ではありませんが、強い抗がん剤を使うにあっての支持療法として立ち位置を確立してきています。

しかも、新型コロナの影響でこれだけ感染症が話題に上がっていると、医師も発熱性好中球減少症を予防したいという気持ちが出てくるのかもしれませんね。

リツキシマブBSはエリスロポエチンやG-CSFでバチバチに戦ってきた中外の製品をBSで出すのか、と一時期話題になっていましたが、血液領域への強みを生かしてしっかり浸透してきているようです。

その他、これはがん領域に含まれるのか免疫領域に含まれるのかよくわからないのですが、昨年、再生不良性貧血の適応拡大をしたロミプレートが非常に好調です。

再生不良性貧血は希少疾患ではありますが、1例あたりの売上が大きく、難治例が残されている領域ということもあり、2倍以上の41億円と協和キリンの中ではなかなかの存在感を持つ薬剤になってきました。

免疫・アレルギー領域

こちらのアレロックやパタノールは個人的にはまだこんなに売れていたのか、という感じですね。

コロナの影響や花粉症が少ないことなど記載されておりますが、ライフサイクル的に妥当なのではと考えています。

中枢神経

ノウリアストとハルロピ、どちらもパーキンソン病の治療薬です。

ノウリアストは2013年の発売から順調に成長はしてきており、もう少しで100億円というところです。

ようやく海外でも承認を取得し、次世代製品KW-6356の開発も進めていることからまだまだ伸ばしていきたい製品といえるでしょう。

また、ハルロピはまだ発売したばかりですが、久光との販売提携は個人的に面白いなと感じています。

というのも、久光がいきなりパーキンソン病の領域に踏み込むのはあまりにも無理があると感じていましたので、既にその領域に注力している協和キリンとコプロするのは理に適っているというわけです。

薬自体もレキップと同成分の経皮吸収型テープ製剤ですので、薬効を説明するというより、貼ることのメリット、デメリットを伝えることが主になります。

そこで貼る専門家、久光の力は十分生かされるでしょう。

クリースビータ

こちらは同社初のブロックバスター候補ということで注目されていますが、既に海外では2020年度の上期で250億円程度売れており、ブロックバスターは間違いないところまできています。

日本でも昨年末に発売され、2020年度上期において既に13億円と順調にスタートを切っています。

適応の低リン血症性くる病・骨軟化症は難病指定されており、基本的に長期使用する薬剤ですので、安定的に売上増加が見込めるでしょう。

新製品ダーブロック

2020年度第2四半期決算説明会資料より

そして、今国内市場で何よりも注目されるのはダーブロック(ダプロデュスタット)です。

この製品はGSKが開発しましたが、2018年に戦略的に協和キリンと販売提携を結んでいます。

先程のハルロピもそうですが、協和キリンはこの辺りの目の付け所が非常に優れていると感じます。

ネスプが特許切れとなり、売上は下がる中、これまで築き上げてきた腎領域でのプレゼンスをどうにか活かせないか、と考えたのがこの販売提携だと考えています。

GSKとしても腎領域に強いメーカーではありませんので、渡りに舟と言えるでしょう。

また、このスライドをご覧頂いてもわかりますように、適応の範囲を見ても透析導入後だけでなく、保存期における腎性貧血にも使えることが大きいですね。

2013年、明らかに遅れてDPP-4市場に参入したのは得策と言えなかったでしょうが、その経験がここに活かされ、伏線回収となれば気持ちいいかもしれませんね。

まとめ

今回は協和キリンの2020年度第2四半期決算を見て考えたことを書いてきました。

日本市場は現状厳しいながらも、重点領域で新薬が上市できており、数年先は明るい未来が見えてくるような気がしています。

MRとしてもネスプ全盛の時代と比べると、よりテクニカルな要素が求められ、成長に繋がる環境と言えます。

また引き続き注目していきたいと思います。

それでは最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

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コータロー

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