MRが実力をつけやすい製品とは?

MRの仕事

こんばんは、コータローです。

皆さん、MRが実力をつけるために大事なことはどんなことだと思われますか?

私はそのような製品を担当して、成果を残すことだと考えています。

ですので、圧倒的な営業力を持って必要以上に処方を獲得することも、誰が見ても画期的な製品を担当して派手な売上を作ることも、それには該当しないという認識です。

私の考えるMRとしての実力は薬の新規性、革新性を最大化して、従来の医療に変革を加え、多くの患者さんにベネフィットを長く与えられる環境を作り上げる力のことです。

ただ、それをしようとすると、どうしても製品の力を借りる必要はあるだろう、と考えるわけです。

ということで、今回は「MRが実力をつけやすい製品とは?」というテーマで書いていきます。

少し回りくどいと感じたかもしれませんが、ここからはシンプルに進めていきますので、最後までご覧頂けますと幸いです。

新しい作用機序の製品

まずはやはり作用機序です。

これがその疾患領域において、新しく、ユニークであることは非常に重要だと考えています。

と言いますのも、作用機序がほとんど一緒の薬剤がその領域に先に出ている時点で医療に大きなインパクトを与えることは難しいからです。

もちろんそれでも既存薬より効果が強い、安全性面が優れていて、患者さんにとってベネフィットが大きいという薬はいくらでもあると思うのですが、それを売る力が強いことは私が思うMRとしての実力とは少し異なります。

逆に作用機序が新しい薬であれば、発売されてすぐに売れないような薬でも、いやむしろその方がMRとしての実力を伸ばすためには適していると考えるわけです。

では、それは具体的にどのような薬が該当するかというと、例えば2019年度国内売上高11位で673億円売れたサムスカ(大塚製薬)などはそれに当たるのかな、と思います。

サムスカの作用機序はバソプレシンV2受容体拮抗剤でそれまでになかったものです。

そして、利尿薬という昔ながらの括りにありながら、発売時1錠2,000円を超える薬価で登場しています。

元々利尿薬はラシックスやフルイトラン、アルダクトンなど非常に安価な薬剤しかなかったところに、新しい機序で水だけを出す利尿剤だから2,000円以上します、なんて普通に考えたらおかしいですよね。

ただ、それでも大塚製薬のMRが薬の力を最大限活かせる方法をその疾患の中に見出したのではないかと思います。

臨床的に有用な使い方を見い出されたことにより、心不全にはなくてはならない薬となり、希少疾患である多発性嚢胞腎への適応拡大も果たしたことで大型製品となりました。

発売当初そこまでの製品になると予想していた人は少なかったのではないでしょうか。

ということで、おそらくこのサムスカのように新しい作用機序の製品を担当してこれまでの医療に変革を与える経験というのはMRとしての実力をつけるのに適していると考えています。

検査・診断から変える必要がある製品

そして次はこちらです。

MRは薬を売るわけですが、既にある土壌に薬を普及させるだけではMRの実力は育たないと考えています。

MRの実力をつけるには、検査・診断から変えられる製品が必要です。

これも新しい作用機序の話にも通じてきますが、実力のあるMRというのは薬だけを見ていないです。

薬以上に疾患にフォーカスして考えられる力が必要だからです。

その疾患を治療するために何がベストなのかを考えられるMRであれば、薬を使う前が何より重要ということは理解されていると思います。

その薬を使う前段階を医師としっかり話し込んでいくと、必ず出てくるのが検査・診断というわけです。

こちらも、少し具体的な話をすると、血液がんなどがまさにそれに当たると考えています。

例えば、日本新薬のビダーザはMDS(骨髄異形成症候群)のハイリスク症例に使われる薬ですが、ビダーザが出てくるまでは有効な治療薬がなく、リスクを評価したとしても臨床に活かされることはほとんどありませんでした。

貧血が強くなれば輸血をして、白血化してしまったらAML(急性骨髄性白血病)に準じた治療をするしかないといったようなことです。

ですので、日本新薬のMRはまずMDSのハイリスクを正しく評価してもらう必要がありましたが、過去からルーチンで行ってきたわけでもないリスク評価を適切に実施してもらうのは至難の技でした。

また、リスク評価が浸透していないとなると、MRが症例毎に各血球の減少度合いや症状、芽球(未成熟な白血球)や染色体異常の発現状況などを確認していき、リスク評価を把握した上で処方提案を行っていく必要がありますが、プライマリー製品を重視していた当時の状況ではそこまで手が回っていなかったと聞きます。

実際、ビターザはじっくりじっくり伸びてきた製品で、2019年度には157億円売れて日本新薬の中心製品になっていますが、臨床試験でOSに差がついているという明確な結果から考えると、少し物足りないような気もしてしまいます。

売り方次第ではもっと早く全国的に立ち上げて売上を最大化できただろうと見ています。

いずれにしても、このような製品を扱い、検査や診断、リスク評価などにも踏み込んで提案できるスキルこそがMRとしての実力に大きく関与していると考えていますので、このビダーザでしっかり根拠ある成果を上げたMRの方は社内外でも実力を認められているのではないかと思います。

血液がんであれば、その他にも数年前までのMM(多発性骨髄腫)やMPN(骨髄増殖性腫瘍)なども同様のことが言えるのではないでしょうか。

使いこなすのが難しい製品

最後がこちらです。

皆さんもお感じのように薬は簡単に使いこなせる薬の方が売れます。

1日1回で食事の影響もなくて、効果が早くて、良くて、副作用が少なくて、長期処方ができて、なんてことです。

これは文句なく素晴らしいことなのですが、このような製品だけを売っていてもMRとしての実力は高まりません。

これらの薬は誰が売っても売れるからです。

それよりもMRとしての実力を高めるためには、投与初期に副作用が強く出やすい薬だとか、効果が出るまで時間が掛かる薬だとか、投与方法が面倒だとか、の方が適しています。

もちろんただそれだけの薬ではなく、上手く使いこなすことで長期的な目線で素晴らしい効果が見込まれる薬ということは前提条件になります。

こちらも具体的な領域を上げるとすると、やはり血液がんの領域に多いですかね。

と言いますのも、血液がんの場合、がん細胞が増えることによって血液が作りにくくなることもありますので、治療開始前に血球が保てていないケースが多いです。

そうなると添付文書の内容と照らし合わせてもギリギリ投与できるかどうか、ということになるのですが、それを薬が効けば血球が回復すると捉えるのか、薬のせいでもっと血球が下がってしまうかもしれないと捉えるのか、で治療方法が大きく変わってきます。

そのことにより、もちろん得られる結果も大きく変わります。

薬が効いて血球が立ち上がってくれば増量をしたり、その後の治療選択肢も増えますが、そのまま上がってこないケースにおいては支持療法を行いながらジリ貧の戦いを迫られることになります。

そしてそのエビデンスでは語れない部分を補填するために、MRも患者さんの状態について、できる限り状況を伺った上で提案する必要があります。

血液がんはこのようなやり取りを行った上で、薬を使いこなしてもらう必要がありますので、やはりMRとしての実力をつける上では適していると言えるでしょう。

当然、その他にもCNSや免疫関連の領域などでも同様のことが言えるとは思いますが、どの領域であっても使いこなすのが難しい製品を上手く活かしてもらって患者さんのベネフィットを最大化することがMRとしての実力をつけるのには重要と言えます。

まとめ

ということで、今回は「MRが実力をつけやすい製品とは」というテーマで書いてきました。

  1. 新しい作用機序の製品
  2. 検査・診断から変えられる製品
  3. 使いこなすのが難しい製品

終身雇用が厳しくなる中では副業だなんだとかもありますが、まずは本業の実力をつけておくことが最重要なのではないかと考えています。

そういう意味ではMRはその実力をつけるためにも、そのような製品を担当することも大事な要素ではないかな、と思います。

少しでも参考になりましたら幸いです。

それでは、最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

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コータロー

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