エーザイの2020年度第1四半期決算を見て考えたこと

企業分析

MR(医薬情報担当者)からマーケティング職にキャリアチェンジしたサラリーマンの

コータローです。

皆さま、エーザイ現状ってどのようなイメージでしょうか。

10年ほど前はアリセプトやパリエットといった強力な製品があったことでMRも各領域において存在感を出していましたし、好業績から給料の高い会社としても有名でしたね。

ただ、それらの製品が特許切れを迎え、後発品が出てきて以降は業績もそうですが、MRの存在感も一気に薄くなってしまいました。

そして、2年ほど前には早期退職を実施したら想定100名のところ300名が応募してきた、といったニュースもあったりとそのまま下位に沈んでいくのかな、という状態でした。

しかし、最近はレンビマを中心にグローバル展開が上手くいき、全社的にはまた調子を取り戻してきているようです。

また、つい先日認知症の新薬であるアデュカヌマブがFDAに優先審査の対象になったというニュースが舞い込んできて株価は一気に上昇しました。

そして売上を見てみましてもこのように順調な伸びを示しています。

エーザイHP財務データより

それではエーザイは完全復活、日本のMRも安泰といえるのか、ということで、ここからはいつもながら日本のMRが一番大きく関わる日本市場を中心に見ていきたいと思います。

ちなみに、現在日本でエーザイがどのような製品を売っていて、何が主力製品なのか言える人は少ないのではないでしょうか。

私自身がそうでありましたので、ここからは決算発表を元に見ていきたいと思います。

くわしくご覧になりたい方はこちらhttps://www.eisai.co.jp/ir/library/presentations/pdf/4523_200803.pdf

2020年度第1四半期決算

2020年度第1四半期決算説明会資料より

まず見た目の話なのですが、決算説明会資料ひとつとっても会社のキャラクターって出ますね。

全体的に筆圧が濃く、スライドいっぱいまでスペースを活用し、足し算の色使いをされているので、THE・老舗製薬企業だなと感じました。

業績ですが、COVID-19の影響を受けながらも、売上収益は前年比108%の1656億円、営業利益も前年比124%の321億円と相変わらずの好業績です。

昨年までも右肩上がりできていた中で、この結果は素晴らしいと言えます。

2020年度第1四半期決算説明会資料より

主な増収要因はやはりグローバルブランドのレンビマですね。

昨年から四半期で100億円の増加が得られています。

ただ、日本事業を見ると58億円減で好調とは言えない状況ですので、後ほど詳しく見ていきます。

また、先月承認申請を実施したEZH2阻害剤タゼメスタットの権利譲渡による売上が115億円計上されていますので、実質は前年とトントンと言えるかもしれません。

日本市場は?

2020年度第1四半期決算説明会資料より

実際の決算説明会資料ではここから怒涛の開発状況に関するスライドが続きましたので、それらは一旦飛ばして、ここからは参考資料を見ていきます。

まずセグメント別の売上収益についてです。

主に地域別のセグメント分けになっておりますが、日本をご覧頂きますと、四半期の売上が前年比91%の597億円、そして全セグメントに対しての構成比は昨年の42.4%から36.1%に大幅に減少しています。

これは国内MRにとっては見逃せないレベルの結果です。

と言いますのも、ここ最近の流れではMRの生産性を重視して人員計画を行っている企業がほとんどだからです。

国内の売上が下がればそれに合わせてリストラを行うということですね。

2020年度第1四半期決算説明会資料より

それではここからもう少し踏み込んで製品別に見ていきましょう。

ここでようやくエーザイの主力製品とは!?に迫ります。

現在の主力製品は世界で2.8兆円と世界一売れているヒュミラで125億円です。

ヒュミラといえばTNFα抗体薬で自己免疫疾患に広く適応を有する薬剤で処方量としては炎症性腸疾患(IBD)とか関節リウマチとかが多いですかね。

開発元のアッヴィとコプロしておりますが、競合も激しい領域で前年を下回っています。

また、近い内にバイオシミラーが出てくるのではないか、と言われていますし、もうひとつ気になるのが昨年末に発表されたギリアドのフィルゴチニブ販売提携です。

このフィルゴチニブはJAK阻害剤であり、既に他社製品4剤が先んじて上市されています。

しかも、その他社製品のひとつがリンヴォック(ウパダシチニブ)であり、アッヴィが販売しているのです。

これってどうなんでしょうか。

少なくともこの状況で仲良くヒュミラを売るというのは考えにくくないでしょうか。

ということで、おそらくヒュミラのコプロによる売上は近い内になくなってしまうのではないかと考えています。

500億円規模の主力製品が、です。

その次はリリカの61億円でこちらファイザーからアライアンス収入としてもらっているようですね。

リリカというとお盆明け初っ端のニュースで後発品が承認されて、12月発売予定とありました。

ファイザーとしては訴訟をして食い止めることを模索していたり、それが無理ならAGを出すのかもしれませんが、エーザイはコプロによるアライアンス収入ですので、おそらく後発品発売のタイミングで契約は終了となり、売上はなくなるでしょう。

こちらも現在年間300億円ほどのアライアンス収入を計上していたのが一気になくなってしまいます。

それ以降はというと、グローバルで大成功しているレンビマがありますが、こちらも適応が限られますので、国内で大きく伸びる製品とは言えません。

自社品で期待されていたフィコンパも同時期に発売となった第一三共のピムパットに大きく差を付けられており、最近発売されたデビエゴも同機序のMSDのベルソムラと大きな差はなさそうなので、あまり期待はできません。

ということで、国内市場に関しては主力2製品の売上が近い内に消え去ってしまう可能性があり、成長著しい薬剤がないということになってしまいました。

それでもアデュカヌマブが…

エーザイHPプレスリリースより

国内市場は悪いニュースばかりになってしまいましたが、会社としては何よりもこちらですね。

冒頭にも触れましたようにアデュカヌマブがFDAで申請を受理され、優先審査指定を受けることになりました。

薬泣かせのアルツハイマー病において、ついに使える薬剤が出てきたことは本当に凄いことです。

一方でこの根拠となったデータには賛否両論あるところだと思います。

間違いなく、他の領域であれば承認されることはないのでしょうが、それ以上にアルツハイマー病の薬が待たれていたということです。

こちらについては私の知識ではわかりませんので、ここまでにしたいと思います。

まとめ

ということで、今回はエーザイの2020年度第1四半期決算について見てきました。

レンビマを中心にグローバル展開が上手くいっているので、会社全体の業績は素晴らしいのですが、国内にいるものとしては少し寂しい気持ちになりました。

2年前に早期退職を行い、MRは1000名弱まで減っているようですが、ヒュミラ、リリカがなくなってしまうといよいよ2000億円を下回ってしまいます。

そうなると再度、早期退職を募ることになるでしょう。

まあなんにせよ、アデュカヌマブに期待ですね。

リアルワールドデータ含め上手く育薬していってほしいです。

また、引き続きブログを書いていきますので、なにか感想等ありましたら頂けると励みになります。

最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

コータロー

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