【決算シーズン到来!】中外製薬の2020年第3四半期決算を見て考えたこと

企業分析

こんばんは、コータローです。

ここ最近ネタ切れで書けていませんでしたが、ようやく決算シーズン到来ということで、製薬企業分析から再開したいと思います。

今回はおそらく製薬業界で1番早い決算発表?と思われる中外製薬について見ていきたいと思います。

中外製薬といえば、今や国内製薬企業で時価総額No.1、国内全産業中でも7位と押しも押されぬトップ企業であります。

少し前まではロシュの製品を日本で売っている代理店だと揶揄されるようなこともありましたが、今はロシュに導出して世界に羽ばたく製品も多く輩出していますね。

また、前回の決算についてもコロナ禍にも関わらず、増収増益、第2四半期として過去最高と絶好調でしたが、今回はどうなっているのでしょうか。

そのまま直接決算発表を見たい人はこちらから、個人的な意見も読みたいな、と思って頂ける方は最後までご覧頂けますと幸いです。

それでは始めていきます。

2020年第3四半期決算

2020年第3四半期決算説明会資料より

まずは前回好調であった数字周りを見ていきますが、こちらをご覧頂くと、今回も文句なしの好決算ですね。

売上、営業利益、四半期利益いずれも第3四半期の過去最高です。

前回と比べてもさらに勢いよく、伸びており、売上は前年比13.3%増となっています。

通期の予測7,400億円に対しても進捗率77.9%とこちらも全く問題ないでしょう。

2020年第3四半期決算説明会資料より

それではその強さの秘密を探っていきたいと思います。

細かく見ていきますと、実は意外にも国内売上は前回決算以上に前年比マイナスが大きくなっています。

ただ、それを補って余りある海外売上とロイヤリティ収入があるということですね。

そしてそれを生み出しているのが自社創薬品であるアクテムラ、ヘムライブラなどの抗体薬です。

詳しくは全くわかりませんが、抗体エンジニアリング技術というものをイーライリリーやノボノルディスクファーマなどの外資系大手企業にライセンス契約しているということですので、なくてはならないコア技術であることがうかがえます。

2020年第3四半期決算説明会資料より

そしてこちらが製品別、国内外別の売上高の増減を示したグラフです。

この見せ方は個人的に非常にわかりやすくて好きですね。

この1枚に欲しい情報が埋まっているので、感謝です。

見てみますと、国内売上に関してはやはりアバスチン、ハーセプチンのBSの影響がなにより大きいですね。

BSに関しては普通のジェネリックと比べると一気に減らないので会社にとっては良いことでしょうけど、MRとしては評価品目から外れないことにはしんどい時期が続きそうです。

おそらくアバスチンなどは売上規模から考えても簡単に評価品目から外すことはないのでは、と外野としては思っています。

テセントリク、ヘムライブラが伸びているとはいえ、全ての領域が前年比マイナスという状況はMRの精神衛生上良くないかもしれません。

とはいえ、自社創薬品が海外で大きく羽ばたいているわけですので、MRもドンと構えておけば大丈夫でしょう。

今回決算のトピックス

2020年第3四半期決算説明会資料より

それではここからは今期のトピックスについて見ていきますが、毎月書ききれないぐらいありますね。

まず大きいのは視神経脊髄炎スペクトラム障害という疾患に使われるpH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体のエンスプリング発売です。

これは全然わからないなぁと思っていたらしっかり投資家向け?に製品説明会が行われたようです。

エンスプリング製品説明会資料より
エンスプリング製品説明会資料より

全国に患者さんが4,300人ほどということで希少疾患になるかと思いますが、脳や脊髄、視神経に炎症が起こってしまう病気で自己免疫疾患なので女性に多く、比較的若い30代から40代ぐらいが好発年齢のようです。

1度の再発が原因で失明や車いす生活になってしまうような難しい疾患であります。

そして、そもそも適応のつく薬剤がなく、自己免疫性疾患ですのでステロイドを使用する他なかったようですが、ステロイドを長期使用するのと様々な問題が発生することは周知の通りですし、新たな治療が待たれていました。

エンスプリングは1ヶ月に1回投与ということですし、対象の患者さんには早く行き渡ってほしい薬ですね。

ちなみにこの薬も抗体薬です。

アクテムラと同様のIL-6がターゲットですが、この疾患に効果的に使われるためにはこのリサイクリング抗体技術というまた新たな技術が鍵になったようです。

この薬剤も自社創薬品で既にグローバル展開も図っているということで、本当に中外の創薬力は凄いな、と思わされます。

あとは先月肝細胞がんに対して、テセントリクとアバスチン併用療法が適応追加になりましたね。

こちらは個人的にインパクトが大きいと思い、記事にしていますので、興味のある方はどうぞ。

【肝細胞がん適応追加】テセントリク+アバスチン併用療法を考察する

さらに中外が創薬、マルホが開発を行ってNEJMに掲載されたネモリズマブにも期待ですね。

こちらはアトピー性皮膚炎が対象ですが、この領域に生物学的製剤として風穴をあけたデュピクセントが市場から高く評価を受けていることを見る限り、期待大ですね。

アトピー性皮膚炎はつい最近発売となったJAK阻害剤のコレクチム軟膏も絶好調のスタートみたいですし、まだまだ必要とする患者さんが多い領域と言えます。

また、デュピクセント同様で適応拡大も見込めるのではないでしょうか。

これ以外にもデジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2020に選ばれるなど、製薬業界の中でも積極的にデジタル化を進めている企業ですね。

まだまだ取り上げるべき内容は多くあるかと思いますが、今回は一旦ここまでにしておきます。

ニュースリリースの数を見ていても勢いの良さがうかがえますので、今後も期待大といって差し支えないでしょう。

まとめ

今回は「【決算シーズン到来!】中外製薬の2020年第3四半期決算を見て考えたこと」というテーマで久しぶりに製薬企業について見てきました。

個人投資家向けオンライン会社説明会資料より

中外製薬の場合はロシュに買収されたという印象が未だに強いかとは思いますが、このスライドにある通り、世界トップのロシュの製品を国内で独占的に販売できる、かつ研究開発機能はしっかり残してグローバルにもロシュの販路を活かして展開することができるということは、やはり他社との大きな差別化になっていますね。

自社創薬品も今や国内製薬企業では最も成功している企業と言っていいかと思います。

現在、揺れに揺れるT社の買収劇と対比して見てみると非常に面白いな、と個人的には感じています。

個人投資家向けオンライン会社説明会資料より

取締役会もT社と比べると日本らしさが残っていて安心感がありますね。

ロシュの総合的なビジネス感覚が優れているのでしょう。

ということで、最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

これから決算発表に応じて各社レビューしていきたいと思いますので、興味を持たれた方はTwitterのいいねやフォローもして頂けると励みになります。

コータロー

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