【時価総額 業界No.1】中外製薬の決算を見て考えたこと

企業分析

MR(医薬情報担当者)からマーケティング職にキャリアチェンジしたサラリーマンの

コータローです。

皆さん、国内製薬業界で時価総額No.1の企業はどこかご存知でしょうか。

それは、中外製薬です。

今回は、いまや時価総額が国内製薬業界でNo.1となり、さらに日本全体でも7位にランクインされている中外製薬について見ていきます。

2020年度第2四半期決算説明会資料より

中外製薬のこれまで

中外製薬といえば、以前はロシュの子会社に成り下がった、などと揶揄されることも多かった印象ですが、ロシュ傘下に入った当時から社長が打ち出していた「あくまで戦略的な提携である」がハマる形で持続的な成長を果たしています。

中外製薬HP財務ハイライトより

実際にロシュから導入したオンコロジー製品のリツキサン(悪性リンパ腫)、アバスチン(大腸がん、肺がん、乳がんなど)、ハーセプチン(HER2陽性乳がん、胃がん)はそれぞれの領域において、なくてはならない薬剤として評価され、年間1500億円以上をコンスタントに売り上げました。

そして現在は免疫チェックポイント阻害薬の一つテセントリク(肺がん、乳がん)も販売しています。

これらにより、中外製薬はオンコロジーの国内トップ企業というイメージが定着しております。

また、この提携によってもう一つ良かったことは中外が創薬した薬剤をロシュの販売網に乗せて、グローバル展開できることです。

良い薬剤が開発できても、販路が限定的であるとポテンシャル通りの売上に繋がらないこともよくありますが、この提携により、アクテムラ(関節リウマチなど)やアレセンサ(肺がん)、最近ではヘムライブラ(血友病)も順調に海外売上を作ることができています。

それではここからは決算発表を見ていきましょう。

詳しくご覧になりたい方はこちらhttps://www.chugai-pharm.co.jp/cont_file_dl.php?f=FILE_5_52.pdf&src=[%0],[%1]&rep=119,52

2020年度第2四半期決算

2020年度第2四半期決算説明会資料より

まずこちらが今期業績の概要ですが、コロナ禍にも関わらず、大幅な増収増益です。

しかも第2四半期として売上、利益ともに過去最高ということで言うことなしですね。

内訳を見ると国内では少し前年を下回っていますが、海外及びロイヤルティ収入で大きくプラスになっています。

海外売上やロイヤルティ収入が得られていることもロシュとの戦略的提携によって自社創薬が機能しているからと言えるでしょう。

2020年度第2四半期決算説明会資料より

また、こちらは新型コロナの影響を示していますが、項目別に事実ベースで記載されているので、安心感がありますね。

他社の記事でも触れていますが、今回の決算で過剰にコロナによる減少を記載している企業は元々業績が悪かったと考えるのが自然です。

国内製品別売上は?

2020年度第2四半期決算説明会資料より
2020年度第2四半期決算補足資料より

まず領域別で見ると国内では売上の半分以上ががん領域で中外製薬の特色が表れています。

製品別で見ていきますと、バイオシミラーが発売されたアバスチンやハーセプチンはやはり減ってきました。

致し方ないところですが、両剤とも売上の規模が大きいだけに、減少ペースを緩やかにしたいところではありますね。

一方で伸びているのはパージェタやテセントリクです。

特にパージェタは一昨年から術前・術後療法への適応拡大で一気に売上を伸ばしたことで、今年4月に薬価再算定で15%マイナスになってしまったにも関わらず、前年比で10%以上増えているのは凄いことですね。

テセントリクは各癌腫において圧倒的なデータを有している印象は今のところないのですが、アバスチンやハーセプチンで以前から注力している市場というアドバンテージも生かして順調に積み上げてきていると言えます。

そして別の領域では血友病治療薬のヘムライブラが相変わらずの勢いを維持しています。

この領域は詳しくないのですが、前回記事の武田製品アディノベイトなどよりも利便性が明らかに優れているようですね。

2018年発売にも関わらず、昨年度で既に252億円ということで、こんなに立ち上がりが順調な薬剤は珍しいですが、それだけ待ちに待たれた薬剤であったということでしょう。

このように国内売上は大型製品でバイオシミラーが出てきて厳しい中でも新薬でなんとか踏ん張っている状況です。

開発状況は?

新型コロナ関連肺炎に対するアクテムラの試験は残念ながらネガティブなデータとなりましたが、ロシュ創薬品があることで、パイプラインは充実している会社です。

ただ、ニッチな領域も多いため、大きく売上に影響できるまでは時間が掛かるでしょう。

となると、やはり直近ではテセントリクの役割が大きくなるのですが、テセントリクの治験はネガティブに終わってしまっているものも多い印象なので、今後どれだけポジティブなデータを出して適応拡大を増やしていけるかが重要になりそうです。

個人的にテセントリクの試験を見ていて思うのは必要以上にアバスチンを併用し過ぎではないか、ということです。

肺がんの1stラインもそうですが、腎細胞がんや卵巣がんなど、もう少しシンプルに結果を得ることができなかったのかな、と素人ながら思ってしまいます。

MRの立場ではどうか

MRから見ても非常に良い会社と言えるでしょう。

と言いますのも、一つは多くの人はオンコロジー製品に携われます。

しかも、関わることのできるがん腫が豊富です。

オンコロジーMRになることのデメリットとして領域が偏り過ぎるという点があると考えているのですが、中外製薬であれば固形がんは広く関われますし、血液がんにも携われます。

オンコロジーMRについて詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。

オンコロジーMRのメリット・デメリットhttps://kotaromrcareerchange.com/advantages-and-disadvantages-of-oncology-mr/

そしてもう一つは現時点である程度、販売管理費が抑えられていることです。

これはやはりロシュが上にいることが大きいと思うのですが、中外製薬は一般的な内資系企業と比べると販売管理費の割合が少ないです。

しかも、2年前には好業績の時点で先を見据えてリストラを行っておりますので、今後数年は大規模の理不尽なリストラはないと考えています。

そういう意味でMRとして入社するにも優れた会社と言えるでしょう。

まとめ

ということで、今回は中外製薬の2020年度第2四半期決算発表を見て考えたことを書いてきました。

2002年に形式上、買収されながらもロシュに独立経営を認めてもらい、上場も維持して企業価値を高めていったというのは内資系製薬企業の生き残り戦略として、ひとつの最適解だったのかなと感じました。

これだけ成功している会社ですし、なんといっても時価総額業界No.1の会社ですので、引き続き見ていきたいと思います。

それでは最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

コータロー

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