MR(医薬情報担当者)からマーケティング職にキャリアチェンジしたサラリーマンの
コータローです。
私はつい先日まで転職活動をしていました。
その際、もし新規事業をなんでもやっていいよ、と言われたら何をしますか?と質問を受け、新規事業を考える機会がありましたので、それを記してみたいと思います。
<こんな人に見てもらいたい>
- 新規事業について詳しい方
- なにか新しいサービスを生み出したいと考えている人
病院配置型タブレットサービス

それではなぜこのビジネスを考えたのか、解説していきます。
医療従事者側の解決すべき課題
- 薬剤毎に問い合わせ先が異なり不便
- MRに問い合わせしても画面がないので不便
まず医療者側の課題から見ていきますと1つ目が薬剤毎にメーカーが違うため、問い合わせ先を探すだけでも面倒ということがあります。
薬の種類は膨大で17,500種類(※参考:今日の治療薬2020)に上り、それを扱う製薬会社も300社を超えます。
このように非常に膨大な情報を病院の医師、薬剤師は扱う必要がありますので、全てを把握して正しい使い方を知ることは不可能です。
そのため、各製薬メーカーに問い合わせをすることが多くありますが、それぞれに窓口が異なります。
2つ目は新型コロナの影響により、MRからの情報提供が受けにくい状況が生まれておりますので、医師や薬剤師は電話でメーカーに問い合わせをする機会が増えてきました。
しかし、電話だとスライドや資材を見ることができませんので、あとから資材を送ってもらうことになります。
そこにタイムラグが生じることで診療に影響が出てしまうことも出てきます。
製薬会社側の解決すべき課題
- 新型コロナの影響により情報提供機会減少
- リモート面談をしようにも医療機関側にインフラが整っていない
次に製薬メーカー側から課題を見ていきます。
1つ目は新型コロナの影響により、情報提供機会が大きく減少したことです。
これを改善するために各メーカーがリモート面談を躍起になって増やそうと考えていますが、それが上手くいっているという話はなかなか聞こえてきません。
むしろ医療者側はMRからのメールが増えて迷惑と捉えている可能性すらあります。
2つ目は1つ目の解決策を考える上での課題になりますが、リモート面談を増やそうにも病院側がそのような環境を整えていないということです。
これにより、リモート面談をする場合、医療者自身のPCやタブレットで行う必要がありますが、忙しい外来や病棟業務の合間にわざわざ部屋に戻ることの負担感は相当なものでしょう。
これらの医療者側、製薬メーカー側双方の課題を解決するために「病院配置型タブレットサービス」を考えました。
ここからは具体的な機能を説明していきます。
どんな機能があるのか

- メーカー横断型おくすり相談室
- メーカー横断診療科ごと薬剤情報
- リモートMR依頼
- リモート面談時タブレット使用
- MRコール
- 説明会動画
- よくある質問データ蓄積
メーカー横断型おくすり相談室
他業界でいうと保険の窓口のようなイメージです。
医療者から見ると薬剤の問い合わせをそれぞれのメーカーにするのは非常に面倒だと思いますので、CSO企業などが一手に引き受ける形を考えています。
また、私は元々MR一人あたりの扱う情報量は少な過ぎると考えていました。
もっとMRが多くの薬剤を担当することで様々な領域の薬剤に対応できるようになると医師からの信頼も高まり、MRの付加価値が上がるように思います。
メーカー横断診療科ごと薬剤情報
診療科ごとにメーカー横断で薬剤情報を集めて見やすくすることで医療者に喜んで頂けるのではないかと考えました。
また、ガイドラインに準じてページ作成することで独自色の強い薬剤選択抑制にも寄与できるかもしれません。
リモートMR依頼
こちらはリモートMRをそのタブレットで依頼して実施まで可能ということです。
医療者としてはスライドを用いた紹介をタイムリーに受けることができ、製薬メーカーはその機会を受動的に得ることが可能になります。
双方の課題解決につながれば嬉しいです。
リモート面談時タブレット使用
このタブレットで予約をした以外のリモート面談もこのタブレットでできるという機能です。
リモート面談における病院のインフラ改善につながり、様々なビジネスチャンスが生まれます。
MRコール
リモートが増える時代になっても対面の価値は落ちないと思いますので、それを医療者が簡単にタブレットで依頼できます。
説明会動画
これは各製品の説明会動画をそのタブレットに入れておくことができる機能です。
閲覧データは製薬メーカーが確認できるようになります。
質問のデータ蓄積
これにより、よくある質問以外でも閲覧履歴から病院で起こっている事象を捉えることができます。
製薬メーカーはもちろん病院にとっても有益な情報になると考えています。
ビジネスモデル

サービスを打ち出す企業はCSOを展開している会社が望ましいと考えています。
それはメーカー横断機能を有するからです。
CSO企業がタブレットを病院に無料貸与し、病院の医療者に利用して頂きます。
導入するための営業活動はCSO企業だけでなく、製薬メーカーと協業します。
CSO企業は各製薬メーカーからコンテンツ導入とデータ分析の利用料をサブスクリプション型で頂きます。
また、CSO企業によるリモートMRサービスが必要な場合には別途契約します。
いかがでしょうかね。
類似サービス

実現可能性を判断する上で毛色の違う類似サービスについても少し調べてみましたので、それも記載します。
1つ目は「タブレットを病院に配置する」の類似サービスでセルジーン社のRevMateというシステムです。
これは胎児への薬剤暴露防止のために作られたシステムですが、血液がんを診療する施設の多くで採用されています。
タブレットを病院に配置することは十分可能と言えます。
2つ目は「メーカー横断機能」の類似サービスでシミックアッシュフィールド社のシンジケート・セールス・フォースプロジェクトMRというサービスです。
製薬メーカー3社と横断して契約して1人のMRが医療機関を回るということですね。
メーカー横断機能も可能性が広がってきそうです。
まとめ
ということで、新規事業の完全素人が考えてみました。
もし最後までお付き合い頂いた方がいらっしゃいましたら、本当に感謝です。
穴だらけだと思いますが、いろいろ考えたり、調べてみたりするのは楽しかったです。
これをご覧頂いてお役に立てることは少ないかもしれませんが、引き続きよろしくお願いします。
コータロー
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