今勢いのあるヘルスケア企業 〜MDV編〜

企業分析

こんばんは、コータローです。

引き続き自分の勉強も兼ねて、今勢いのあるヘルスケア企業について見ていきたいと思います。

今回は、MDV(メディカル・データ・ビジョン)

医療データに興味を持っている人であれば知らない人はいない企業で業績、株価ともに現在絶好調という同社ですが、製薬業界にいる方にとってはまだまだ馴染みの少ない企業かな、とも思います。

ただ、実は現時点でも製薬業界に大きく関わっておりますし、もっと広く見て医療・ヘルスケア業界においては非常に注目されている企業のひとつですので、知っておいて損はないです。

ということで、今回はMDVについて調べてみましたので、ご覧頂けますと幸いです。

どんなビジネスを展開しているのか?

2020年12月期第2四半期決算説明会資料より
2020年12月期第2四半期決算説明会資料より

まずはビジネスモデルから見ていきましょう。

上のスライドがビジネスモデルの全体像で下のスライドが主なサービス一覧となっています。

MDVは蓄積された医療データ(さくらDB)を持っている会社でありますので、まず一つ目としては、その蓄積された医療データを元に病院向けに分析ツールを提供し、導入費用に加えて、システム利用料を継続的に頂く「データネットワークサービス」があります。

そして、もう一つが製薬企業や医療機器企業向けに分析ツールを提供したり、調査依頼を受けてレポートを提供するといった「データ利活用サービス」です。

こちらのサービスに関してもMDVの持つ膨大な医療データから導き出された結果が商品になっているというわけです。

ちなみに下のスライドでは価格についても触れられていますが、特に製薬企業や医療機器企業向けのサービスに関してはなかなか大きな金額が動くということがわかりますね。

MDVの売上に占める割合も現在は企業向けの調査案件が1番大きいようです。

その元となるデータは?

それではその大きな売上を生み出すデータとは一体なんなのか、ということについて見ていきたいと思います。

2020年12月期第2四半期決算説明会資料より

まず、MDVといえばなんといってもDPCデータです。

医療データというと先日取り上げたJMDCが主に取り扱っているようなレセプトデータや健診データなどもありますが、MDVはDPCデータに強みがあります。

DPCというとMRの方も馴染みが深いかと思いますが、まさにそれです。

急性期病院における入院時医療の包括払い制度ですね。

MDVはそのDPC病院に蓄積されたデータをなんと3,207万人分有しているということです。

これはちょっと異常な数字ですよね。

先日調べたJMDCについてはレセプトデータや健診データで854万人ということで、それでも驚いたわけですが、その3倍以上の数を誇ります。

もちろんデータによって使い道が異なりますので、どちらが優れているという話ではありませんが、単純に3,207万人って凄いです。

このDPCデータはMDV社が創業以来、こつこつと医療機関との信頼関係を作り得てきたものでありますので、後から参入して追い抜くなんてことはほぼ不可能でしょう。

ちなみにDPCデータからどんなことがわかるかというと、MRの皆さんはイメージしやすいかと思いますが、急性期病院において、どんな患者が、どの診療科で、どんな検査を受けて、どんな診断を受けて、どんな重症度で、どんな治療(手技・投薬)を、どれだけの量、どのぐらいの日数受けたか、といった非常に細かいところまでわかります。

ですので、病院向けサービスにおいては、実際その病院がどのようになっているのか健康診断のように丸わかりというわけです。

その結果を元に経営状況の改善であるとか、集客における課題であるとか、病院の強み・弱みといったことを明確化し、それによって改善方法が見い出せる、ということですね。

さらに製薬企業や医療機器企業においても、自社が関わる疾患に対して、どのような患者がどのように検査や治療を受けているのか、またその具体的な回数や用量が見えるとなると、調剤レセプトデータや健診データでは解決できない課題も解決できるかもしれない、というわけです。

昨今は複雑な新しい治療法も多く出てきておりますが、それらが行われるのは多くの場合DPC病院です。

DPCデータを持っているということがいかに価値のあることかはイメージしやすいのではないでしょうか。

ただ、褒めちぎっておいてなんですが、そうは言ってもDPCデータも万能ではありません。

当然ですが、DPC病院は基本的に早く急性期を脱して退院させることが重要な役割になってきますので、それ以降の情報はDPC病院にはありません。

2020年12月期第2四半期決算説明会資料より

ただ、その課題に対しても対策を既に打たれていますね。

システム ビィー・アルファという会社を買収して、健保データを568万人分持つことにより、それを元に分析ツールに加えて幅広いニーズへの対応を可能としています。

このどこまでデータをカバーするか、という点はJMDC同様、上手く買収も行いながら中長期的にさらなる拡充を目指すことになるのでしょう。

業績は?

2020年12月期第2四半期決算説明会資料より

こちらはコロナ禍の決算ですが、業績も売上、利益ともに過去最高を更新と絶好調ですね。

病院向けのデータネットワークサービスに関してはサブスクリプションのようなストック型なので、ほとんど影響を受けず、企業向けのデータ利活用サービスに関しては、他の医療IT企業同様でMRの自粛期間にむしろ売上を拡大させています。

また、この医療データを売りにする会社においては今後の飯のタネとなるデータ量をさらに増やしていく必要がありますが、それも順調に積み上がっているようです。

特にリアルタイム診療データや健保データ、臨床医アカウント数は買収や提携を通じて一気に拡大することに成功しています。

今後どんな展開があるの?

2020年12月期第2四半期決算説明会資料より

今後もどんどん新しい取り組みを進めるようですので、全ては網羅できませんが、面白そうなモノをひとつだけピックアップしてみます。

こちらのオンライン診療支援サービスです。

オンライン診療というと最近、コロナ禍だけでなく恒久的に初診を可能とする取り組みが進められておりますが、そのときに大きな問題となるのはかかりつけ医なら良いとしても、初診においては患者情報が足りないのではないか、ということです。

それに対してこのサービスでは、過去の診療データや健診データ、バイタルデータなどを先にカルテコというアプリに入れておいて、オンライン問診をMDVの持つデータを元に行った上でオンライン診療を行っている医師と繋ぐということで、1番の弱点であった情報量不足を克服するというわけです。

医師としてもこのシステムに利用料を支払うことで患者数を増やすことにつながります。

非常にホットな話題ですし、オンライン診療にこのような関わり方があるというのは想像していませんでした。

また、さらについ先日ケアネットとの包括業務提携が発表されましたが、それはこのオンライン診療支援システムの普及拡大をするとともに、製薬企業、医療機器企業向けのサービスを拡大する狙いがあるようです。

まとめ

今回は「今勢いのあるヘルスケア企業 〜MDV編〜」について書いてきました。

この医療データに関しては、規模が全てですかね。

データ量・種類をしっかり拡大することができれば、売上を作るのは後からいくらでもできると考えているのかな、なんてことも思ったりしました。

今後、国内から世界へ、企業向けから個人向けへ、と益々期待できるMDVですので、引き続き注目していきたいと思います。

それでは、最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

コータロー

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