新指標!?薬の「MR依存度」について考える

MRの仕事

MR(医薬情報担当者)からマーケティング職にキャリアチェンジしたコータローです。

早速ですが、皆さんは何かに依存していますか?

私はなんだかんだ会社に依存した人生を送ってきたので、これからは会社に依存せずとも自分の力で生活を成り立たせられるようになりたいな、なんて思っていたりしますが、現実はなかなか難しいです。

そんなことはさておき、今回のテーマは「依存」です。

と言っても、○○依存症のような暗い話ではなく、製薬企業から見たときにMRに依存しなくては売れない薬はどういうものがあるのか、ということについて考えてみました。

言ってみれば、薬の「MR依存度」です。

なぜこんなことを考えるかというと、確かにMRが今のように多くいなくても変わらず売れる薬は存在するように思う一方で、MRがいることによって売上が最大化できる薬があることも、また事実だと考えているからです。

MR依存度の高い薬を知ることで、この薬は俺が売ってやる必要があるんだな、と愛着を持てるMRの方が増えると嬉しいなと考えています。

ということで、最後までご覧頂けますと幸いです。

画期的ではないけど、形成されている市場に後から出された薬

このような薬剤、イメージは付くでしょうか?

今、売れている薬で代表格を言うと、アジルバ、ネキシウム、タケキャブ、といったところです。

今話題の武田さんはこの辺りが上手かったなあ(過去形)、なんて思います。

アジルバ

アジルバは最後のARBという触れ込みで、2012年に発売された以降、今もなお伸びており、売上高は2019年度なんと767億円に達しています。

他社の方はこれだけ売れていると知っていましたでしょうか。

私はこれまでノーマークでした。

と言いますのも、ARB戦争なんていうのは2012年ぐらいに終わっているのです。

その後、どこまで既存の薬剤と違うのかは知りませんが、数多く後発品がある中、同じARBでまさか2020年に700億以上売れる製品が出てくるなんて思わないですよね。

ただ、このような「画期的ではないけれど、形成されている市場に後から出てきた薬」こそ、「MR依存度」の高い薬のひとつです。

アジルバが発売された2012年にはARBで得られる効果は周知されており、エビデンスも既に充実していました。

正直なところ、アジルバが出てこなくても高血圧治療に特に大きな問題はなかったでしょう。

ただ、その状況の中でも売ることができるのがMRです。

その時期にはほとんどのARBが特許切れになっており、大きな治療効果の差はなくとも、少しでも評価頂けるのであればアジルバを使ってください、といったようなことです。

この売り方は今流行りのMR君には絶対できません。

まさに「MR依存度」が高いと言えるでしょう。

ネキシウム、タケキャブ

それに似た形なのが酸分泌抑制剤ののネキシウムやタケキャブです。

これらの薬剤も先にオメプラール、パリエット、タケプロンといったPPIによる治療がスタンダードになった後に出てきた薬剤です。

当然どちらもさらに酸分泌抑制効果が強い、といった症状改善薬としての使命は果たしているわけですが、画期的ではないですよね。

画期的で、なくてはならない薬剤であれば、正直何もしなくても売れます。

そんな薬剤が頻繁に開発されるのであれば、これはこれで「MR依存度」は下がります。

そういう意味ではこれらの薬剤も「MRによって」国内トップクラスの売上を誇っている薬と言えるでしょう。

ちなみに2019年度ネキシウムは798億円、タケキャブは721億円売れています。

最新の「MR依存度」が高い薬剤は?

それでは現在その「MR依存度」が最も高い薬剤とはなんなのか、というと、

第一三共のタリージェ(神経障害性疼痛治療薬)です。

これはまた上手いタイミングで出てきたな、という印象です。

と言いますのも、先行して発売している同機序のリリカに後発品が出ることなったからです。※一旦ファイザーが特許侵害訴訟している話は置いておきます。

リリカは言わずと知れた1000億円製品ですね。

2019年度も1008億円で国内2位の売上を誇ります。

神経障害性疼痛という考え方が浸透したのもこの薬剤のおかげと言えるでしょう。

まさに画期的な薬剤のひとつと言えるでしょう。

それに対し、タリージェは昨年4月に発売です。

この神経障害性疼痛という市場をリリカが大きく形成した後に、画期的ではないけど、こそっとものすごくいいタイミングで発売となったというわけです。

そして、なんと初年度から80億円を売り上げています。

さらに今期は処方制限も解除され、直近の四半期決算では43億円を計上しており、年間200億円近い売上が見込めるというところまで育っています。

もちろんリリカやサインバルタでも効果を得られない患者さんの役に立っているとは思いますが、そこまで市場から待ち望まれていた薬剤とは思えません。

これはまさに第一三共がMRに依存して出した結果と言えるのではないでしょうか。

このように、実は画期的ではないけど、良いタイミングで出てきた薬剤というのは、売るために「MR依存度」が高まります。

タリージェ以外でも、これからこのような薬を売っていこう、と思っている企業に現在勤めているMRの方は会社がMRを頼ってきている、と自信を持つようにしましょう。

逆にこれまでそういう薬が多かった、という企業は今後「MR依存度」を下げていこうと考えているかもしれませんし、まさにそれが現実になっていますね。

まとめ

ということで、今回は「新指標!?薬の「MR依存度」について考える」というテーマで書いてきました。

本来、もっといろんな事例を出そうと思っていたのですが、一旦まとまってしまったので、今回はここまでで、またの機会に続きを書きたいと思います。

最近はどうしてもWebツールによってこれまでの活動を代替できないか、という方向に話が進んでしまうのですが、そもそもMRの営業力に依存して売り上げを伸ばしてきたのが製薬企業です。

だからこその高給だとも思います。

一方向からだけでなく、多角的に物事を見ていきたいと思いますので、少しでも参考にして頂けましたら嬉しいです。

それでは最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

もし興味を持って頂けましたらTwitterのフォローもして頂けると幸いです。

コータロー

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