オンコロジーMRの中でも血液がんMRがより面白い理由3選

MRの仕事

MR(医薬情報担当者)からマーケティング職にキャリアチェンジしたコータローです。

皆さんはご自身が担当されている領域や製品について面白いと感じていますでしょうか。

私はありがたいことに約10年のMR経験の中でいくつか本当に面白くて、やりがいのある領域や製品を担当させて頂くことができました。

そして、その中でも1番思い入れがあるのが血液がん領域です。

(正確には血液疾患と言いたいところですが、わかりにくくなるので血液がんで通します)

固形がんも複数担当したことはあるのですが、それを踏まえても血液がんの方が好きでした。

このように同じオンコロジーMRでも私の中では血液がんMRが1番面白いと確信しておりますので、今回はなぜそのように感じるのかについて振り返り、まとめてみました。

オンコロジーMRや血液がんMRに興味のある人は今後のキャリアにとって、少しは参考になるかもしれませんので、ぜひ最後までご覧頂けますと幸いです。

血液内科は特別

1つ目は単純に私自身が血液内科を特別視しているということです。

と言いますのも、血液内科専門医は全国に約4000名しかいません。

日本全体で医師は30万人いると言われていますので、ほんの1%強です。

そして、その1%強の血液内科医にしか使えない薬というのが実は数多くあります。

ほとんどの内科系の薬は多少科を跨いでも、また内科全般を診ている開業医などでも使える薬が多いかと思いますが、血液内科が使う薬はそうはいきません。

しかも、それだけ用途が限定され、対象患者さんが少ない薬が多いにも関わらず、ブロックバスターは数多く出ており、例えばセルジーン(現在はBMS)のレブラミド(多発性骨髄腫)は数年後に世界で1兆円の売上を上げると予測されています。

国内売上だけで見ても、それぞれの疾患の治療に大きく影響を与えたグリベック(慢性骨髄性白血病)、リツキサン(B細胞性リンパ腫)、ベルケイド(多発性骨髄腫)などは全て数百億円規模の売上を作ってきました。

改めて言いますが、1%強しかいない血液内科医だけが使ってこの売上規模です。

正確に計算したわけではないのですが、医師一人あたりの薬剤使用金額は間違いなく、血液内科がNo.1じゃないかと考えています。

さらに、血液内科というのは最も内科らしい内科なのです。

どういうことかと言うと、現在は内科と言っても循環器内科であればPCI、消化器内科であれば内視鏡、神経内科も脳血管内治療など内科であっても手技が様々あって、それぞれ治療も多様化してきているため、その技術を向上させることに力を割いている内科医が多いですよね。

もちろん非常に大事なことなのですが、そこには少し外科的な要素も感じてしまうわけです。

一方で血液内科はそのような手技はほとんどなく、血液検査、骨髄検査を中心に様々な検査によって出てきたものすごい量の検査値から診断を導き出し、治療もほとんどの場合、薬物療法によって完結させます。

これはがんの場合も同様です。

まさに内科のプロフェッショナルですよね。

もちろんオペに代わるものとして造血幹細胞移植という飛び道具があったりはするのですが、それも個人的には薬物療法の究極系のようなイメージで捉えており、どこまでいっても内科医だな、と思うわけです。

このように私の中では血液内科は特別であり、そこで働く医師と向き合ってできる仕事にも面白味を感じるわけです。

客観的に判断できる臨床検査値が多い

これは固形がんとの対比になってしまうのですが、血液がんの方が圧倒的に確認できる、そして確認すべきな臨床検査値が多いです。

オンコロジーMRの面白さの中に症例フォローがあると思うのですが、症例フォローをしようとしても固形がんって聞くべき検査値の項目が少なかったりしませんか?

遺伝子変異や原発巣のありなし、その大きさ、転移状況や症状、再発までの期間、前治療など聞くことは多いにしても検査値ベースの話が少ないです。

これは固形がんでは多くの場合、画像検査や症状を判断の基準とすることが多いからだと思います。

腫瘍マーカーの値を聞いたとしてもあくまで画像がメインでほとんど気にしない医師もいたり、外科系の医師であれば、そもそもあまり覚えていないケースも多いです。

一方で血液がんの場合はまずなにより血液から多くの情報を取ります。

そしてそれが数値化されますので、先生から教えて頂いた情報であったとしてもMRが客観的な判断を加えることができるのです。

また、医師側も臨床検査値によって治療選択を判断するケースが多いからか、何を聞いてもある程度覚えてくれていたりします。

もちろん疾患それぞれで聞く項目は変わってきますが、どの血液がんでも基本のヘモグロビン、白血球、血小板の3つは聞いて、それぞれの多い少ないに対して、先生がどう感じているのかを確認するだけでも攻め方は大きく変わってきます。

また、それぞれの疾患において、いくつかの数値によって客観的に進行度を判断したり、予後予測ができるケースもあったりしますので、聞けば聞くほど、症例像ができあがってきます。

そして、ここまでできると、ある程度医師と同じ景色を見ることができますので、結論に相違があった場合にはなぜそう考えるのかを率直に聞いて、意見することも可能ですし、処方意向に大きな影響を与えることができます。

この辺りは経験を積めば積むほど磨かれていくスキルかと思いますので、そういった意味でもやはり血液がんMRは面白いと感じています。

治療効果がダイナミックかつ評価しやすい

最後に満を持してこちらです。

先程からもお伝えしてきましたように、血液がんの領域は画期的な薬をいくつも生んできました。

そして、現在もCAR-T細胞療法など新たなモダリティについても血液がん領域が先導しています。

これは治療効果がダイナミックで優れている、ということに加えて、そのダイナミックな治療効果を評価する方法も後からついてきているということが大きいと考えています。

ここでも固形がんとの対比になってしまうのですが、固形がんの治療効果判定は基本的に腫瘍の縮小で評価します。

ですので、効果は物理的に判断します。

物理的に判断するとなると、CTやMRIを使った画像評価になりますので、多くの場合2ヶ月に1回程度しか評価することができません。

また、見える形で出てきている腫瘍しか評価することができません。

そのため、1度目の画像で腫瘍が縮小したからといって、実は既に効果が落ち始めていて、2度目の画像評価では治療前より大きくなってしまっているなんてこともざらです。

画像評価ではタイムリーに治療効果を評価したり、早めに次の治療に移るなんてことができないのです。

もちろんマーカーは見ていますが、必ずしも相関しません。

また、リキッドバイオプシーなども出てきましたが、経過を評価するにはまだまだ物足りないのではないかと思います。

一方で血液がんにおいては薬の進化に合わせて評価方法もどんどん進化していきます。

有名なところで言うと、CML(慢性骨髄性白血病)がありますね。

最近ではMM(多発性骨髄腫)でもより精密に効果を評価することが可能になってきました。

例えばCMLであれば、まず血液学的完全寛解(血球の正常化、症状消失)から始まり、次に細胞遺伝学的完全寛解(染色体検査で悪性染色体消失)があり、現在では分子遺伝学的完全寛解(原因遺伝子がほぼ検出されないレベル)までPCR検査キットで正確に測定できるようになり、一般的なCRなんていう生温い評価では語れないわけです。

さらにそれによって薬を止めても大丈夫な人が中にはいるのではないか、という話になってきています。

MMでもそこまでではないですが、現在は以前と比べるとだいぶ細かい部分まで評価できるような状態になり、治療戦略を立てる上で非常に有益です。

これらはだいぶ完成に近づいてきたものではありますが、そこまではいってなくとも、それぞれの疾患において治療効果の向上と並行して評価方法の向上が日夜進められているのです。

このように血液がんMRは使ってもらった薬がどのぐらい効いたのか、定量的に教えてもらうことが可能の場合も多いので、症例をフォローしていくにしても面白みを感じられるわけです。

まとめ

今回は「オンコロジーMRの中でも血液がんMRがより面白い理由3選」というテーマで書いてきました。

  1. 血液内科は特別
  2. 客観的に判断できる臨床検査値が多い
  3. 治療効果がダイナミックかつ評価しやすい

いかがでしたでしょうか。

血液がんMRに興味を持たれている方に少しでも参考になれたら嬉しいです。

わかりにくかったり、もの足りなかったり、表現方法がおかしいと気付かれましたら、こそっと教えて頂けますと幸いです。

あと最後にもう一つだけお伝えしたいこととしましては、やっぱりリンパ系より骨髄系が本流だと考えていますので、そういった意味でもやはりベネトクラクスはやりがいがありそうだな、と。

ということで、最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。

今回でようやく50記事目となりましたが、これからも細々と続けていきたいと思いますので、ご覧頂ける方はTwitterのフォローもお願いします。

コータロー

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